島根県玉造温泉は全国的にも有名です。
今でも大盛況で、大型連休などは予約が取れないほど大人気です。
玉造温泉は「神の湯」とも呼ばれ、美肌の湯としても有名です。
しかし、シニア世代の私「弘坊」は、玉造温泉には行きたくありません。
玉造温泉に行きたくない!
最初に申し上げておきたいのですが、私は今までに30回以上、玉造温泉に行って、温泉や美味しい料理を満喫してきています。
そんな私がどうして玉造温泉に行きたくないのか?
30回以上行ったと書きましたが、これは約40年を費やしての事です。
つまり40年前から段々変化が生じ、遂に変化の限界を超えた気がするのが原因かもしれません。
逆に30回以上も行くということは、それまではとても大好きで「又、行きたい!」と思う気持ちがあったという証明にもなります。
一度にドカンと変わった訳ではなく、徐々に徐々に、つまり行く度ごとに変わっていってしまいました。
それでは行きたくない理由を、その他のエピソードも交え紹介していきます。
個人商店の減少
玉造温泉は、玉湯川を挟んで両側に旅館やお店が並んでいて、風情があってとっても温泉街っぽい雰囲気でした。
射的、スマートボール、ちょっとエッチなお店など、温泉街には当たり前のあの光景が、少しずつ変化していき、収益を考えたお店が増えてきました。
それらは一体何になったのか?
お店を閉めて、商店ではなく家として残っているところもあります。
それはそれで風情として何の問題もないのですが、問題は大型施設の台頭です。
「玉造温泉ゆーゆ」は平成7年にできました。
平成20年に「華仙亭 有楽」は「星野リゾート 界」に変身しています。
どちらも当時は当然きれいな建物で、人気もグッと上がりました。
大型店も自由競争の中で、凌ぎを削って工夫とサービスを繰り広げているのですが、風情をキープするのは困難だと思います。
もちろん、合法的に運営されていると思いますし、玉造温泉街に大きく貢献していること、間違いないでしょう。
決して文句を言うつもりはありません。
大型店の出店によりデイユースがより一般的になり、多くの人が訪れるようになりました。
スーパー銭湯よろしく、日帰りのお客さんが入れ替わり立ち替わり大勢訪れます。
外国人客も激増です。
元々玉造温泉は、老舗旅館のお風呂を一般客に開放していました。
つまりお風呂だけの料金で、温泉に入ることができたのです。
いわゆる外湯ですね。
しかし昔は、旅館やホテルの風格といいますか、敷居が高そうでお風呂だけをいただくというのは、かなり高いハードルだったと思います。
泊りもしない旅館に、着替えやタオルなどを持って暖簾をくぐるのにためらいがあった時代でした。
あつかましいことで知られている大阪人の私でさえ、老舗旅館の大きな門を入って、少し距離がある玄関まで歩き、玄関先でお出迎えの方が待ち構えているところへ行って、「風呂入らせてっ!」ていうのは場違いだと思っています。
私の妻ならそれをやってくれるかもしれませんが…。
今では考えられませんが、当時ホテル側も、外湯で儲ける気は無かったように思います。
外湯の料金もかなり安かったようで、入湯料として150円くらいだったと思います。
それが今、門戸を大きく開いたことによって、大型バスで大勢の人が訪れ、少しお行儀が悪い方もおられるようで、風情が失われつつあると思います。
これが大問題なのです。
浴衣に下駄履きで賑わってたあの頃が懐かしいです。
最近では、夏場だとアロハに短パン、足元はビーチサンダル、秋にはジャージなんて人がいます。
温泉街の風情は、お金では買えないと思うのですが、温泉サイドとしては集客あってのことなのでしょう。
私としては、個人商店が賑わっていて、お土産屋でお土産を買う人や、浴衣姿の人が射的やスマートボールに夢中になっていたあの時代が忘れられません。
湯之助の宿 長楽園
長楽園は、昭和天皇がご訪問されたことや、日本一の露天風呂で有名です。
私はこちらに4~5回ほど宿泊しました。
日本一の大露天風呂、しかも混浴です。
湯量が豊富で、源泉かけ流しです。
私が初めてこちらに行ったのが、17・18歳くらいだったと思います。
フツーに泳げるくらい広いお風呂に、腰を抜かしそうになりました。
雪が舞う、少し寒い日でした。
本館が客室で、露天風呂は離れにあります。
露天風呂に行くには本館のロビーで、外に出るための下駄に履き替えます。
そこには下足番の方がおられ、毎回お客さんの履物をそろえておられました。
雪が舞っていたので、下足番の方は蛇の目傘を開いて手渡してくださいます。
これぞ温泉!ザ・温泉!風情がありますよね。
お風呂を済ませて帰る時、今度は反対側(離れ)で仲居さんが蛇の目傘を差し出してくださいます。
何という贅沢、何という幸せ。
混浴なのですが、女性側は竹の塀で隠れるような構造になっていました。
ですから女性は、竹の塀の内側でお湯に浸かっていました。
この時は、露天風呂の多くを男性で占めていたようです。
最近ではどうでしょう。
下足番の方も仲居さんもおりません。
経費削減なのだと思います。
下駄も脱ぎ散らかしたように散らかっているのが、残念でなりません。
それでもグッと堪えて露天風呂に入りました。
しかし、以前に来ていた時と全く違う光景が、目の前に現れました。
私は普段、眼鏡を掛けていますが、お風呂に入るために眼鏡を外したので少し見えにくくなっていました。
いつも通り浴衣を脱ぎ、生まれたままの姿で頭や体を洗い、露天風呂の湯舟に向かう際、目を疑いました。
なんと、女性だらけではありませんか?
女性は竹の塀の向こうじゃないのか!?
湯けむりの中、目を細めて良くみると、若い女性は水着のようなバスタオルを身にまとい、旧男性エリアに続々とやってきて彼氏の隣に座り、私の方をジロジロ見ています。
こちらはスッポンポンですので溜まったもんじゃありません。
とりあえず湯舟に入り、女性の皆さんが去るのを待ちましたが、彼女たちはただ足をお湯に入れているだけで、彼氏とずっと話に花を咲かせています。
全く出ていく気配がありません。
遂に限界になり、湯舟を出て脱衣場に行こうとしましたが、のぼせてしまってフラフラっとなりました。
悪い予感は的中して、湯舟を出たところでバタッと倒れました。
私としてはすぐに立ち上がって行くことができると思いましたが、大きな音がしたせいか、先ほどの彼氏たちが寄ってきて「大丈夫ですか?」と介抱してくれます。
その時初めて、彼氏たちの腰に黒いタオルのようなものが巻かれている事に気づきました。
ここはもはや大露天風呂ではなく、大プールと呼ばれていて、この水着のようなタオルを着用して入湯する方式に変わっていたようです。
穴があったら入りたいです。
女性たちは、楽しく彼氏とおしゃべりしていたのに!といった感じで私の方をジッと見ていました。
こちらとしましても、特に見せたくてやっているのではありません。
変わったルールを知らなかっただけで大恥をかきました。
あら、大プールって書いてある。
このルールさえ知っていればこんな恥をかかずに済んだので、これは玉造温泉に行きたくない理由にはなりませんね。
さて長楽園の残念をもうひとつ。
長楽園が悪いわけではありませんが、長楽園は大手温泉検索サイトの「ゆこゆこネット」に掲載されていません。
玉造温泉も長楽園も有名ですのでなぜ、掲載されないのかは私にはわかりません。
企業間で何かあるのかもしれませんね。
その他の大手宿サイトには掲載されているようです。
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玉造温泉の場所
玉造温泉は、JR玉造温泉駅からはズバリ遠いです。
JR玉造温泉から温泉街までは、約2km弱で、タクシーなら7~8分、歩くと30分ほどかかります。
しかし、これはいいんです。
駅を降りてすぐに温泉街だと、人混みになります。
玉造温泉は混み合わないのが似合うと思います。
駅からゆっくり歩いて行くと、田んぼや畑を見たり、のどかな風景がずっと続いていますので飽きることはありません。
ここは歩いた方が、旅行をしている実感が湧くと思いますよ。
ただ、荷物が多い場合はタクシーを使いましょう。
休日だと1~2台のタクシーが、駅と温泉街を往復していました。
出雲大社までは車で1時間くらい必要です。
最近は出雲大社も大盛況ですので、混雑時はもっと時間がかかります。
朝10時頃にチェックアウトして、出雲大社に向かってもお昼近くになってしまいます。
混雑必至です。
よく玉造温泉から出雲大社、玉造温泉から松江城、玉造温泉から出雲空港を近いと読んで、失敗した人の話を聞くことがあります。
時間に余裕を持って行動して下さいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
シニアの目線で、少々辛口な意見を書いてみました。
最後にどうしても書いておかなければならない事があります。
観光協会や地元の人たちが、街自体が廃れていかないように日々努力を重ねていることは、昔から見ているので十分わかっているつもりです。
この人たちには頭が上がりませんが、一個人、玉造温泉の一ファンとして、私が大好きな玉造温泉街像から離れっていってるのがとても残念でなりません。
もちろん私のわがままな部分は多分にあることは重々承知しております。
しかし若い頃から30回以上通ってきた私にとって、玉造温泉はずっと玉造温泉であって欲しかったのです。
集客が増え、再度風情を重視する事に目を向けてくれると信じています。
私は全国の温泉地の中で、玉造温泉が一番大好きです。
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